- 節句お役立ちガイド
- ひな人形編
雛人形の基本的な並べ方
この記事では、雛人形のきれいな並べ方・きれいに手早く並べるポイント、見栄えを良くする一工夫を紹介します。
どれも読んですぐ実行できるものばかりです。準備の時間を短縮しながらも、きれいではやい雛人形の飾り付けに取り組んでみてください。
- 毎年1度雛人形を出すけど、7段で大きいし飾るのにも時間がかかって大変。きれいに飾れないし、もっと準備で楽したいな。
そんな雛人形を準備する段階での悩みを解決します。
この記事では、
『きれいにはやく飾るコツ』
『雛人形の基本の飾り方』
『見栄えをよくする工夫』
を紹介することによって、あなたの雛人形を飾るための時間を短縮しながらも、きれいにそしてより魅力を増した雛壇の完成をお手伝いします。
すぐに実践できるものばかりなので、参考にして準備に取り掛かってみてくださいね。
手早くきれいに飾りつけるコツや注意点
ここでは、雛人形をきれいに、はやく飾り付けるコツと注意点を4つご紹介します。
どれも特別な技術が必要なものではなく、簡単にできるものばかりなので気軽に読み進めてください。
安全で日陰の場所を選ぶ
まずは、飾り付ける前の段階ですが、安全な場所で飾り付けすることが大切です。
特にお子様が小さい場合は、動き回ってひな壇にぶつかってしまいますと、倒れてきてしまうとお子さんが危険ですし、雛人形も壊れてしまいます。
できる限り、スペースがあり、お子さんたちが遊ばないような場所の方が好ましいでしょう。
ただし、安全な場所だとしても直射日光が当たるような場所は避けてください、人形の劣化が早く進んでしまいます。
上から順に飾っていく
雛人形を飾る時は、上から下へと順に飾っていってください。
なぜなら下から飾っていくと、上の飾りが誤って下に落下した時にずれたり壊れたりする可能性があるからです。
せっかく時間をかけてきれいに並べたにも関わらず、崩れてしまうのは嫌ですよね…
落とさないように気をつけながら、上から下へと飾っていってください。
飾り終わったら写真を撮る
一旦全ての雛人形を飾り終わったら、写真を撮影しておくことをオススメします。もし、完成形のパンフレットなどあればそちらを大切に保管しても良いですね。
写真を撮るすることで、飾りがずれてしまった時や次の年に飾る際もスムーズに並べることができます。
また、飾り付ける前の収納状態の写真も撮っておけば、混乱せず後片付けが楽になりますよ!
手袋をつける
人形を触って飾る時は、手袋をつけましょう。
素手で飾り付けをすると、人形に手油やゴミがつきやすくなってしまいます。特に人形の顔は、扱いが雑だと後々汚れが目立つようになるので丁寧に扱う必要があります。
また爪が伸びていると、せっかくの人形に引っ掻き傷がついてしまうなんてことも…
せっかくの雛人形を傷つけてしまうのはもったいないので丁寧に扱うようにしてください。
ちなみに既に人形についてしまった汚れは、綿棒に少量の水をつけて軽くこすると撮ることができます。
基本の飾り方(7段飾り)
次に、7段ある雛人形の基本的な飾り方をご説明します。
地域によって差があるところもありますが、共通している点が多いので、飾り付ける際は参考にしてみてください。
1段目(親王)
そもそもですが、関東と関西では男雛と女雛の並べ方が異なります。
関東では向かって左が男雛、右が女雛です。一般的に広く売られているのは関東雛なので、特にこだわりがない方はこの順で並べるといいでしょう。
一方で関西の京雛は、向かって右が男雛、左が女雛です。
飾りつけは関東と関西で同じです。まず後ろに金屏風を立て、両脇にぼんぼりを置きます。2人の間には、桃の花をさした三方飾りをおいてください。
男雛は右手に尺、左の腰に太刀、そして冠を纓(えい)がまっすぐになるように被せてください。女雛は両手の間に桧扇を持たせてあげれば装飾完了です。
2段目(三人官女)
2段目には三人官女を並べます。
1人だけ座っている官女がいる場合は中央に置いてください。
ごく稀にですが、座っている官女が2人、立っている官女が1人という場合もありますが、その場合は立ち姿の官女を真ん中に配置してください。
右の官女には中国の取っ手付きの加熱器具である長柄銚子、中央の官女にはお供え物の台である三方、左の官女にはお酒を注ぐ加銚子を持たせます。
そして官女の間には、桜もちをはじめとする季節の和菓子を高坏に置いてお供えします。
3段目(五人囃子)
3段目は五人囃子です。
持っている楽器に着目すると簡単に並べることができます。
向かって右から謡い・横笛・小鼓・大鼓・太鼓の順番です。右から左へいくほどサイズも音も大きい楽器になっていきます。
謡いは楽器は持っていませんが、その代わりに扇を手にしています。
4段目(随身)
4段目は随身です。左大臣と右大臣の2人で構成されています。左大臣の方が身分が高く、格上なので老人の姿、右大臣は若者の姿です。
左右がややこしいですが、向かって右が老人の左大臣、左が若者の右大臣の並び順です。
2人とも左手には弓、右手には矢を持ち、矢を入れるためのやなぐいを背負っています。
5段目(仕丁)
5段目は、貴族の雑用係である仕丁がきます。
3人いるのですが、向かって右が立傘を、中央が沓台、左が大笠を持っています。
それぞれが外側の手を上げているので、左右はそれを基準に判断して並べてあげるとわかりやすいです。
6・7段目(雛道具)
6・7段目には人形は飾りませんが、その代わりに道具を飾ります。
特に決まりはないのですが、食器・たんす・化粧道具は6段目に、お駕籠や御所車は下の段に置くとバランス良く飾ることができます。
基本的に道具は、絵柄の華やかな部分が前にくるように置いてください。
見栄えをよくする一工夫
ここまで、飾り付けの注意点と各雛人形の飾り方をご紹介してきました。
最後の仕上げとして、見栄えをよくするための一工夫を紹介していこうと思います。
少し中央に寄せる
きれいに飾るためには、左右のバランスが良いことが肝心です。
まず最初に雛壇の中央のラインを決めましょう。
そしてそのラインを中心に左右のバランスを見て人形や道具を飾ってください。
人形も中央を向けるように飾ると、視線の流れができ、人形が生きているように感じられます。
緋毛氈で包んだ台に載せる
床に雛壇を直接おくのではなく、台の上に載せることでより高級感が増します。
例えば、ピアノの上や棚の上などに小さめの雛人形を置く場合は、赤い毛氈や布を敷いて飾ることで、コントラストがはっきりし、雛人形が一層映えます。
7段あるような大きな雛人形の場合は、折りたたみのテーブルやボックスなど家にある台になるものを用意し、その上に毛氈を敷いてください。こちらは大きめの毛氈で包んであげると高級感が増します。
まとめ
この記事では、雛人形の基本的な並べ方から、きれいに手早く並べるポイント、見栄えを良くする一工夫を紹介してきました。
コツや工夫に関して言えば、ご自宅にあるものですぐ実践できるものばかりですし、基本的な飾り方も慣れてしまえばあまり時間もかからなくなります。
余裕があればお子さんと一緒に並べながら1年に1度の雛祭りを、準備の段階から楽しんでみてはいかがでしょうか。