- 節句お役立ちガイド
- ひな人形編
コンパクトな雛人形の種類
7段飾りは広いスペースを必要とします。
そのため、あまりスペースの確保ができなければ平飾りなど別の飾り方をすると良いでしょう。小さくても雛人形の衣装や台などで華やかに魅せることも可能です。また新しいデザインに着目するのも良いかもしれません。
- 雛人形の飾り方にはいくつかの方法があります。
もっとも大きく豪華な飾り方である「7段飾り」以外に、コンパクトな飾り方もあります。しかし小さくても華やかにする方法があります。簡単に雛飾りの種類について説明し、コンパクトな飾り方でも華やかに魅せる方法について紹介していきます。
7段飾りは奥行きをとる
桃の節句には女の子の誕生や成長を祝うため、雛祭りが伝統的に行われています。江戸時代にはすでに現代のような形で雛祭りが存在していたと考えられていますが、その由来となった行事などはさらに昔、平安時代や、古代中国の文化も関係してきます。
雛祭りといえば雛人形を飾るのが定番ですが、雛人形や飾り方にも種類があるのをご存知でしょうか。例えば雛人形の種類で言えば、衣裳着人形と木目込人形とに分けることができます。そして雛人形の飾り方についてですが、最も豪華な飾り方は「7段飾り」と呼ばれるものです。これは雛人形が15人揃った段飾りで、高さも他の方法に比べて出てきます。古くから7という数字は縁起が良いとされていたため、雛壇においてもこのように構成されています。最上段から親玉、3人官女、5人囃子(ごにんばやし)、随臣(ずいじん)、仕丁(じちょう)と続きます。
他には「5人飾り」の場合、最上段に位置する親玉に加え3人官女だけを飾ります。2段飾り、3段飾りなどとも呼ばれます。そして最後に「親玉飾り」について説明します。こちらは3人官女も飾らず、親玉だけを飾ったものです。親玉は男女が対になっているため、親玉飾りであっても2人は飾ることになります。
やはり雛祭りとして派手に雛人形を飾りたいのであれば「7段飾り」をするのが良いでしょう。しかし購入にかかる費用以上に問題となるのがスペースです。7段飾りであっても、様々なサイズがありますが、いずれにしても広い空間がなければ飾ることができません。購入前にはサイズを調べ、自宅のどこに配置するのかよく考えておく必要があるでしょう。
コンパクトな雛人形の種類
平飾り
7段飾りはもちろん、5人飾りなどでもかなりのスペースを必要とします。そのため、あまりスペースの確保ができない場合でもできる飾り方をいくつか紹介します。
まずは、上でも少し説明した「親玉飾り」についてです。これは男女対の親玉だけを飾るため段が必要なく、高さがありません。そのため「平飾り」とも呼ばれます。後に説明する「ケース飾り」や「収納飾り」についても段がないものについては平飾りと呼ぶことができます。
親玉の男女はそれぞれ男雛と女雛と呼ばれます。サイズも様々で、平飾りであっても子どもの腰くらいの高さがある大きなものもあります。
ケース飾り
その名の通り、ケース飾りは雛人形がケースに収められたものです。ほとんどのケース飾りでは親玉と小物のみがケースの中に収められています。ガラスやアクリル製のケースに入った雛人形等は固定されているため出し入れなどの手間もかからず、埃などもケースにかかるだけなのでお手入れも楽です。非常に使い勝手の良いタイプと言えるでしょう。
収納飾り
収納飾りは雛人形を入れる収納箱を、2wayで使用するタイプの飾り方です。雛祭り以外の期間収納している箱に、時期になるとそれを飾り台として使用するのです。基本的には段がない場合が多いですが、高さもあるため親玉飾りの中では比較的豪華に見せることができるでしょう。しかしケース飾りなどと比べるとややスペースを広めに確保する必要が出てくるでしょう。
コンパクトでも雛人形を華やかに魅せるコツ
立ち雛の平飾りや丸窓のケース飾りを選ぶ
平飾りなどをすれば省スペースとなり、収納などにも困ることはなくなるでしょう。しかしせっかくの雛祭りなので7段飾りとは言わずとも、できるだけ豪華に魅せたいと考える方もいるかと思います。
工夫次第では華やかさを増すように飾ることはできます。また、変わったデザインのものを選ぶことなども考えてみてはいかがでしょうか。
例えば「立ち雛」であれば平飾りであっても高さが出てきます。また最近では丸窓のケース飾りなども販売されています。丸窓にすることで可愛らしさを演出でき、さらに奥行を抑えることができるのが大きなメリットです。段のようにはなっていますが、それぞれの雛人形が真上、真下の位置関係で配置されるため、小さなスペースで15人飾りをすることもできます。マンションやアパートで7段飾りを置くのが難しい方でも、丸窓のタイプなら15人飾りをすることもできるでしょう。もちろん15人飾りのみでなく、5人飾りなどに適した丸窓のタイプなど、色んな種類を選ぶことができます。丸窓の枠は木のナチュラルな感じをそのまま見せた明るい雰囲気のものから、重厚感のある丸枠まであるので、部屋の雰囲気に合わせたものを選ぶと良いでしょう。
華やかな衣装や屏風、台を選ぶ
大きさ以外で豪華さを少しでも演出するのであれば、雛人形の衣装や屏風、台などにこだわってみると良いでしょう。正絹や帯地の衣装、金屏風など様々なタイプがあります。台にも大きさの違いから細かくデザインが施されたものまであります。また、人形や周囲に配置する小物などは個別でも販売されています。そのため、後に7段飾りに変更することも可能です
珍しいモダンなデザインのお雛様も
時代とともに雛人形のデザインのバリエーションも増えています。それでも多くの場合は昔ながらの形式が採られていることでしょう。しかし目新しいモダンなデザインのものも一度見てみるとその魅力に気がつくかもしれません。
衣裳や小物まで、全体的にピンクで統一された雛飾りや、逆に黒を基調としたものまであります。平飾りであったとしても、こうした珍しいデザインの雛人形を飾れば大きさや派手さがなくても納得ができるかもしれません。雛飾りは大きくなければならないわけではありません。お祝いをするという気持ちや、それぞれが満足できるものが用意できると良いのです。
色の特殊性だけでなく、ゴスロリ雛人形なども登場し、伝統の中に現代のセンスを取り入れるなど、なかなか見られない雛飾りなども出てきました。他にはウェディングドレスがイメージされた雛人形など色々とあります。興味のある方は変わったデザインのものを探してみると良いでしょう。
まとめ
雛人形の飾り方として最も豪華なタイプは7段飾りと呼ばれる雛飾りです。15人飾りとも呼ばれるように、親玉のほか、様々な雛人形がいて魅力的です。しかし非常に広くスペースを取ってしまうため、家の広さによっては配置できないという問題もあるでしょう。平飾りやケース飾り、収納飾りなど飾り方もあるため、省スペースが必要ならこうした方法も考えてみましょう。
これだと華やかさが足りないと思うのであれば雛人形の衣装や屏風、台などを工夫してみましょう。工夫次第では魅せ方を変えることも可能です。また興味があればモダンなデザインの雛人形も出てきているため、そうした新しいタイプの雛飾りをしてみても良いかと思います。