- 節句お役立ちガイド
- ひな人形編
雛人形の正しい選び方
あまり知られていませんが、「雛人形」には「衣装着人形」と「木目込み人形」という種類があります。みなさんが普段スーパーなどの売り場で目にするのは「衣装着人形」と呼ばれるもので、人形に着物を着せたことでボリューム感があり、作っている工房の多いことが特徴です。
- みなさん「雛人形」はどのようにして選んでいますか?
「雛人形」とは、「女の子に降りかかる災いを雛人形が守ってくれるように」その子のお守りとして飾るものです。 雛人形は1人1飾りと言われており、尚且つ毎年飾るものなので、慎重に選んだ方が良いでしょう。
まずはサイズ選びから
飾るスペースを測っておこう
まずは、自宅のどのスペースに飾るか決めます。
部屋の壁スペースが空いている場合は段数の多い大きな雛人形を飾れますが、なかなか壁スペースは用意できない!という場合には棚の上に設置する方法もあります。
「親王さま」を下から見上げる形が理想的なので、棚に飾ることは決して悪いことではありません。
また、姉妹の人数から飾りやすさやを考えて場所決めをしてもいいかもしれません。
飾る場所によって購入する「雛人形」のサイズは異なるので、場所決めは事前に行っておきましょう。
基本の人数(親王飾り、三段飾り、七段飾り)
「雛人形」には、「親王飾り」「五人飾り」「七人飾り」といった種類があります。
「「親王飾り」とは、最上段に座る親王さまのみの男女一対。
「五人飾り」とは、親王さまと三人官女のみ。(2〜3段)
「七人飾り」とは、人形が十五人揃った状態。
「基本的には、人形の人数が多いほど豪華となります。
しかし、飾る際の手間やスペース、女の子が一人暮らしなどで家を出た際に持ちやすいように、飾りやすく持ち運びやすいサイズを購入するのも手です。
収納型やケース入りならコンパクト
「雛人形」は、毎年出し入れするものです。
1月10日頃から3月3日の間は目につくところへ飾りますが、それ以外の10ヶ月間はどこかに仕舞っておかなければなりません。3月3日を過ぎても飾り続けてしまうと嫁に行き遅れると言い伝えられているので、押入れなどにしまうことを考慮して収納型やケース入りを選択するのもよいでしょう。
収納型とは、箱から出してそのまま飾ることのできるタイプの「雛人形」です。
収納していた箱は、飾るための台として活用します。
飾り付けが簡単で、台がある分豪華さも感じられます。
ケース入りとは、ケースの中に雛人形とその他の小物がすべて収まった形の「雛人形」です。
透明なケースを畳んだりすることなくそのまま収納するため、収納の際には収納型に比べてスペースが必要になってきます。
しかし、飾る時間の短縮という面ではとてもよい「雛人形」の形でしょう。
収納型もケース入りも、他のサイズに比べると大変コンパクトです。
持ち運びもしやすく、たくさん段のある「雛人形」だと毎年飾る体力がないという方にもオススメです。
お人形の顔や素材は最も大事なポイント
雛人形は「衣裳着人形」と「木目込み人形」に大別されます
あまり知られていませんが、「雛人形」には「衣装着人形」と「木目込み人形」という種類があります。
みなさんが普段スーパーなどの売り場で目にするのは「衣装着人形」と呼ばれるもので、人形に着物を着せたことでボリューム感があり、作っている工房の多いことが特徴です。そのため、いろいろなスタイルや顔を選択することが可能となっています。
顔つきには、「京雛」と「関東雛」という種類があります。
対して「木目込み人形」とは、人形本体に直接布を貼り付けているためコンパクトなつくりです。
型崩れの心配がありません。
落ち着いた雰囲気なことから「大人の人形」とも言われており、部屋のコーディネートを考えた上で「木目込み人形」を選択する人も多くいます。
顔つきは、どれもふっくらとしており優しげで、「笹目」と「入れ目」という種類があります。
人形は顔が命
人形の顔が怖いと感じる方もいるでしょう。
「雛人形」は顔の種類が豊富です。そのため、この人形は怖いけどこの人形は好きという各々の感性に合わせて選択することが可能です。
きっとあなたの気にいる顔つきの「雛人形」に出会えるはずです。
ここでは先ほど少し触れた「京雛」「関東雛」と「笹目」「入れ目」について紹介します。
「衣装着人形」の「雛人形」は、「京雛」と「関東雛」に大きく分けられます。
「京雛」は、切れ長の目に、鼻筋の通った高貴な顔立ち(京顔)です。
江戸時代中期からの伝統的な顔立ちで、モデル風となっています。
対して「関東雛」は、目はぱっちり、頬はふっくらとした、現代人に近い顔立ちです。
女優やアイドルに近い愛らしい顔となっています。
「木目込み人形」の「雛人形」は、「笹目」と「入れ目」に大きく分けられます。
「笹目」は、主に目を筆で描き入れた顔です。
瞳の見えないことで、落ち着きのある、笑ったような顔になっています。
対して「入れ目」は、目の部分にガラスなどを入れ込んだ顔を指します。
江戸時代に流行した技法で、大変高度な技術と「目抜き十年」と言われるほどの修練が必要です。
どちらも「衣装着人形」よりも丸顔で、アニメーションのような顔立ちです。
最近また流行り始めているとのこと。
京都と関東、筆とガラスで顔つきは異なります。
人形選びの際にはどの顔が好みか、どの顔が送る相手に似ているかなど、各々の好みで選ぶとよいでしょう。
注意すべき素材は人形そのもの
「雛人形」を選ぶ際には、虫食いのしない素材を使用しているか確認することが重要です。
せっかく購入しても女の子の結婚まで保たないとなると、切ないですよね。
そこで、「雛人形」の防虫、防腐ぼ効果的な方法について理解しておくとよいでしょう。
まず、素材の中での最高級品は正絹(しょうけん)と呼ばれる絹です。自然素材のために虫食いへの心配の高い素材となっています。他にも化学繊維や絹、そのふたつの混じった素材があります。
次に、重要なのは人形そのものの素材です。
大抵は芯材に防虫効果のあるものを使用する工夫がなされているため、虫食いへの心配は不要です。
しかし、ボディが樹脂でできた安価なものもあります。
また、頭もお手軽なものは石膏製、高額な頭は桐塑(とうそ)でできています。
衣装も人形そのものも経年劣化はします。
しかし、可能な限り綺麗な状態を保って、毎年華やかなひな祭りを開きたいものですね。
お道具にも目を配って
親王の小道具
親王さまの持っている小道具にも、ささやかなチェックポイントがあります。
まずは、お雛様の持っている扇子です。
素材として、プラスチック製、木製、胡粉の塗っているものがあります。
また、開きっぱなしのものと閉じることのできるものがあります。
次に、お内裏様が腰に差している刀です。
実は、鞘から抜ける刀と、抜けない刀があります。
このように、高級品には細かな部分で作り込みが違ってくるのです。
その他のお道具
上記の他にも、ぼんぼりであれば電池式がコードレスかの違いがあります。
屏風やその他のお道具に関しても、安価な木星や漆塗りや金の蒔絵が施された高級品など、様々な違いがあります。
これらのものは、後から追加購入でグレードアップすることも可能でしょう。
まとめ
いかがでしたか?
この記事では、飾るスペースを測ることから始まり、「雛人形」のサイズや顔立ちを選部ことの大切さ。
素材にも注目すべきことを述べました。
女の子のためのお守りとして、一生飾り続けることのできそうな、特別な「雛人形」選びをお楽しみください。